ミノア文明 電子書籍

著者:大久保栄次
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大久保栄次著 印刷書籍・電子書籍
エーゲ海ミノア文明・ミケーネ文明の遺産 遺跡と出土品詳細データ

ミノア文明の遺産 厳選出土品240点
電子書籍 ミノア文明の遺産 厳選出土品240点

・サブタイトル: 精密イラスト画による出土品からエーゲ海先史文明を旅する
・表記: 日本語
・形式: e-book/Webダウンロード ⇒ PC・タブレット端末・スマートフォン
・サイズ: 324ページ(kindle画面相当) 容量392Mb
・販売: Amazonネットワーク/Amazon.co.jp

内容概要

 本書は、エーゲ海の先史ミノア文明遺跡から発掘された主要出土品の「精密イラスト画&データブック」です。本書はミノア文明の最大センターであったクノッソス宮殿遺跡を初め、クレタ島各地の重要遺跡からの発掘品、「厳選出土品240点」をピックアップしています。

 本書では、解説する出土品の90%以上は精密イラスト画で、残りは写真で公開します。イラクリオン考古学博物館を初め、クレタ島各地の考古学博物館で展示公開されている出土品の中から、特に厳選した重要な作品を介して、ミノア文明の「美と工芸の世界」へ誘います。


内容:

「ミノア文明」とは?
I 宝飾品
II フレスコ画
III 陶器
IV 印章&粘土印影
V 石製品
VI 線文字・絵記号
VII 青銅品
VIII テラコッタ塑像・陶棺
IX 象牙品
X 農業・漁業

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サンプル・ページ(抜粋)
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 ミノア文明の「宝飾品」の出土、特に金製品Jewelry Goodsでは、その素材の貴重性や作品に表現された様式やモチーフからして、その所有者は宮殿に居住した王家・親族、貴族階級など極めて尊貴な人達であったと断定できる。しかも、その出土スポットは宮殿や邸宅遺跡からは稀であり、現在までの所、そのほとんどは所有者であった尊貴な人達が埋葬された、クノッソスやフェストスなど宮殿に関係する墳墓遺跡の発掘によりもたらされている。
 金製品では、出土点数は決して多くはないが、殊更に金製リング(Gold Signet Ring 印台リング)に顕著な特徴を見ることができる。わずかに凸状のリング印面には、インタリオ彫り(凹彫り)で表現されたミノア文明の宗教観や崇拝思想が色濃く反映されていた。

 特に女神や神殿・聖所の存在は顕著であり、力の象徴たる雄牛角U型オブジェが飾られた聖なる場所には、決まって枝を延ばした湾曲の聖なる樹木が生え、その枝葉に触れると恩恵が授けられる意味から、女神のみならずミノアの若い王や青年達が枝葉に手を伸ばす姿が刻まれていた。
 さらに女神が何か儀式や聖なる情景を見守る表現では、女神の守護を果たすヘビの存在で神的シーンが強調された。また、女神の姿ではミノア文明の特徴的な厚ぼったいスカートを履き、その周囲に花を点在させる表現も顕著であった。さらに金製リングの所有者を象徴するように、印面には若い尊貴な女性達がダンスを踊るシーンも珍しくなかった。

 金製リングの所有者が男性であったと推測できる場合、その印面にはミノア文明の特徴的な芸術モチーフであった「雄牛跳び」のシーンを刻んだ出土例がある。ミノアの庶民が愛した雄牛の背上を飛び越え、逆立ちするなど極めて危険でアクティヴな行為である雄牛跳びが、大規模なイベント行事や聖なる儀式での慣例であったのかどうかは確定できていない。
 しかし、間違いなく雄牛跳びはミノア文明のみならず、中東地域や古代エジプト文明も含め、特に東地中海域で共通した最も人気のあったスポーツ的・文化的なイベントであった。

 そのほかの金製品では、男性・女性を問わず尊貴な人達が装着した、金製のネックレースやペンダントの出土例がある。金製ビーズは石製の「型・モールド」に刻まれたキャビティ空間に溶解金材料を流し込む「鋳造法」で、同じ形容の同じモチーフを製作できた。特に好まれたビーズのモチーフでは、植物のパピルスやユリの花、ツタの葉、さらに幾何学的なロゼッタ紋様などがあり、一部では海洋性デザインとして三本脚のアオイガイが好まれた。


I-1-01 金製シグネットリング 《Gold Ring of King Minos》

          Minoan civilization, Knossos Temple Tomb, goldsignet Ring, "Gold Ring of Kning Minos"

出土遺跡:クノッソス地区 王家の墳墓Temple Tomb(現在 立入禁止区域)
表現:金製シグネットリング/エピファニー表現=女神・祭祀王・聖所・雄牛角U型・高貴な小舟
年代:MMIII期〜LMIB期・紀元前1600年〜前1450年
展示:HAM/重さ約30g
現地:クレタ島・中央北部/クノッソス宮殿遺跡〜南方630m
描画:大久保栄次


I-1-02 金製シグネットリング 《イソパタ・リング Gold Isopata Ring》

           ミノア文明 イソパタ遺跡 王家の墳墓 横穴墓1号墓 金製シグネットリング 踊るミノア女性達 Gold Ring of Isopata

出土遺跡:イソパタ遺跡・王家の墳墓・横穴墓1号墓
表現:金製シグネットリング/エピファニー表現=女神・ヘビ・踊る女性達・スミレ花の草原
年代:LMI期・紀元前1550年〜前1450年
展示:HAM・登録番号424/横L26mm
現地:クレタ島・中央北部/クノッソス宮殿遺跡〜北方2.8km
描画:大久保栄次


I-2-02 金製ペンダント・《Gold Bee Pendnt》

            ミノア文明 マーリア遺跡、金製「ミツバチ・ペンダントGold Bee Pendant」

出土遺跡:マーリア遺跡・クリィソラッコス共同墓地
表現:金製ペンダント・《Gold Bee Pendant》
黄金の造粒技術の最高傑作品・向かい合う二匹のミツバチ
年代:MMIIA期・紀元前1800年〜前1700年
展示:HAM・登録番号559/高さH46mm
現地:クレタ島・中央北部/イラクリオン市街地〜東方35km
描画:大久保栄次


I-2-05 ネックレース 「金製ビーズ・緑ジャスパー」

            ミノア文明 アルカネス遺跡・フォウルニ共同墓地・トロス式墳墓Γ 金製&象牙ネックレース 緑ジャスパー

出土遺跡:アルカネス遺跡・フォウルニ共同墓地・トロス式墳墓Γ
表現:金製&象牙ビーズ・ネックレース、トップ=緑ジャスパー
年代:EMIII期・紀元前2200年〜前2000年
展示:HAM
現地:クレタ島・中央北部
描画:大久保栄次


II-2-02 フレスコ画 《行列フレスコ画》 「王女・男性8人」

 朱色の髪飾りと象牙製のティアラを付けたミノアの王女は、ミノア文明の特徴的な「V型」紋様の厚ぼったい豪華な縫製スカートを履いている。一方、若い男性達は伝統的な腰巻姿、腕にブルーサファイア色のアームレット(ブレスレット)を付けている。王女は手の平を自身に向けているが、男性達は手の平を王女の方へ向けて敬意の姿勢を示している。

          ミノア文明 クノッソス宮殿遺跡 フレスコ画 「王女とミノア男性達」

出土遺跡:クノッソス宮殿遺跡・西〜南翼部・行列フレスコ画の通廊Corridor of Procession Fresco
表現:フレスコ画 (行列フレスコ画Procession Frescoの部分) 《王女とミノア男性達》
年代:MMIIIA期〜LMIB期・紀元前1625年〜前1450年
展示:HAM
現地:クレタ島・中央北部
描画:大久保栄次


クノッソス宮殿遺跡・南西翼部・南プロピュライア〜南大階段

              ミノア文明 クノッソス宮殿遺跡・南西翼部 南プロピュライア〜南大階段

遺跡:クノッソス宮殿遺跡・南西翼部
・南プロピュライア〜南大階段〜西翼部二階を見る
状態:円柱&角柱・《行列フレスコ画》
・南プロピュライア建物=Sir Arthur John Evansの復元
年代:MMIIIA期〜LMIIIA1期・紀元前1625年〜前1375年
現地:クレタ島・中央北部
描画:大久保栄次/撮影:1994年


II-2-08 浮彫フレスコ画 《ミノアの王女》

            ミノア文明 プッシーラ遺跡 フレスコ画 「ミノアの王女」

出土遺跡:プッシーラ遺跡・神殿遺構
表現:レリーフ(浮彫)フレスコ画 《ミノアの王女Minoan Princess》
年代:LMIB期・紀元前1500年〜前1450年
展示:HAM
現地:クレタ島・東部北海岸・エーゲ海沖
描画:大久保栄次
GPS:35°11'08''N 25°51'51''E/標高15m


III-1-01 アギオス・オヌフリオス様式・水差し

               ミノア文明 アギオス・オヌフリオス遺跡・円形墳墓 アギオス・イオアニス様式水差し

出土遺跡:アギオス・オヌフリオス遺跡・円形墳墓
表現:アギオス・オヌフリオス様式の水差し/優美な器形・微細線の紋様
年代:EMI期・紀元前2700年〜前2600年
展示:HAM・登録番号5/高さH215mm
現地:クレタ島・メッサラ平野/フェストス宮殿遺跡〜北北西1km
描画:大久保栄次
GPS:35°03'33.50''N 24°48'26.50''E/標高35m


III-2-04 カマレス様式・ピトス容器 「魚絵柄」

                ミノア文明 フェストス宮殿遺跡・東翼部・第64室(王子の部屋) カマレス様式ピトス容器 魚絵柄

出土遺跡:フェストス宮殿遺跡・東翼部・第64室(王子の部屋)
表現:カマレス様式・「逆さナシ型」のピトス容器・魚・渦巻き線・波状紋様
年代:MMIIB期・紀元前1700年〜前1625年
展示:HAM・登録番号10679/高さH495mm
現地:クレタ島・メッサラ平野
描画:大久保栄次


フェストス宮殿遺跡・西翼部〜北翼部〜東翼部

          ミノア文明 フェストス宮殿遺跡 西翼部〜北翼部〜東翼部 プラン図

遺跡:フェストス宮殿遺跡
状態:西翼部〜北翼部〜東翼部 プラン図
年代:新宮殿=MMIIIA期〜LMIB期・紀元前1625年〜前1450年
(一部 旧宮殿=MMIB期〜MMIIB期・紀元前1900年〜前1625年)
現地:クレタ島・メッサラ平野
作図:大久保栄次
GPS:35°03'05''N 24°48'51''E/標高85m


III-5-01 海洋性デザイン・水入れ

                 ミノア文明 ザクロス宮殿遺跡 海洋性デザイン様式の水入れ、アオイガイArgonautの絵柄

出土遺跡:ザクロス宮殿遺跡・西翼部
表現:海洋性デザイン様式の水入れ、アオイガイArgonautの絵柄
年代:LMIB期・紀元前1500年〜前1450年
展示:HAM・登録番号14098
現地:クレタ島・最東部
描画:大久保栄次


ザクロス宮殿遺跡・西翼部・宝庫

         ミノア文明 ザクロス宮殿遺跡・西翼部・宝庫

遺跡:ザクロス宮殿遺跡・西翼部・宝庫
状態:宝飾品保管の焼きレンガ枠(仕切り板)
年代:MMIIIA期〜LMIB期・紀元前1625年〜前1450年
現地:クレタ島・最東部
撮影:1982年


III-10-01 神殿宝庫からの出土品ファイアンス製 《ヘビの女神像Snake Goddess》

 聖域・神殿宝庫から出土したファイアンス陶器《ヘビの女神像》は、上半身の欠けた一体を含め、同じ製作様式の合計三体が、厳密に言えば、宝庫の東側の収納ピットの中から見つかった。一部の研究者は、出土したファイアンス像は「女神の母と娘」を表している、と判断している。両刃斧と同じ、《ヘビの女神》はミノアの人々から絶対的に崇拝されていた、言わばミノア文明の最高崇拝シンボルの一つでもあった。

 「娘女神」とされる両手を上方へ広げた高さ295mmの像、両手にヘビを持った細身の《ヘビの女神像》の豊かな胸は、コルセット風の引き締まった衣装から完全にはみ出している。娘女神の頭上には、レパード(ヒョウ)か、メスライオンか、ネコ科の動物が佇んでいる。ミノア文明ではグリフィンと並んで、ネコ科のメスライオンも女神の守護の役目を果たす聖なる動物と信じられていた。
 また、両手をやや広めに下げた高さ342mmの「母女神」とされる大きい女神像は、両腕にヘビを巻きつけている。ミノアの時代からヘビは神の使いであり、特に女神との関わりが強調されて来た。

 ファイアンス陶器《ヘビの女神像》は、その製作技術と表現のもつ意味からして、「旧宮殿時代」が終わり、大繁栄の「花ほとばしる新宮殿時代」がスタートした時期、中期ミノア文明MMIIB期〜MMIIIA期・紀元前1625年頃の「最高傑作のミノア美術品Minoan Masterpiece Art」と言える。


            ミノア文明 クノッソス宮殿遺跡・西翼部・聖域・神殿宝庫 ヘビの女神像

出土遺跡:クノッソス宮殿遺跡・西翼部・聖域・神殿宝庫
表現:ファイアンス陶器 《ヘビの女神像Snake Goddesses》
年代:MMIIIA期・紀元前1625年頃
展示:HAM
・左母女神像=登録番号63/高さ342mm
・右娘女神像=登録番号65/高さ295mm
現地:クレタ島・中央北部
撮影:1994年


神殿宝庫の構造

 かつて先史ミノア文明では、「王=神」と崇められ、王の住む「宮殿」は「神の住む神殿Temple」と同じ意味を成したことから、発掘者エヴァンズを初め考古学の研究者から、「宮殿の宝庫Palace Repositories」は「神殿の宝庫Temple Repositories」と呼ばれてきた。
 石製ベンチの控え室の北側に配置された奥の部屋が、クノッソス宮殿の宝飾品の保管庫であり、研究者に「神殿宝庫」と呼ばれる場所である。

 神殿宝庫には東西に少し離れて二か所、方形の深い大きな地中収納ピットがあり、その壁面は厚い石膏石の平板が四段に積み重ねられ、石膏石板を敷き詰めた構造の底部と組み合わせ、堅固な箱状に形容されている。
 収納ピットの大きさの詳細は、中央中庭側の東ピットが東西幅190cm、南北幅143cm、深さ152cm、そして貯蔵庫群の長い通廊側の西ピットは東西幅176cm、南北幅137cm、深さ150cmである。


                 ミノア文明 クノッソス宮殿遺跡 神殿宝庫

遺跡:クノッソス宮殿遺跡・西翼部・神殿宝庫(現在 立入禁止区域)
・奥側=西側の深い大型収納ピット
・中間=後世の浅い小型収納ピット
・手前=東側の深い大型収納ピット
年代:MMIIIA期〜LMIIIA1期・紀元前1625年〜前1375年
クレタ島・中央北部
撮影:1982年


IV-1-04 カーネリアン製印章 「牛飼い&雄牛」

          ミノア文明・フェストス宮殿遺跡・カリヴィア共同墓地・横穴墓7号墓 カーネリアン製印章 「牛飼いと雄牛」

出土遺跡:ミノア文明・フェストス宮殿遺跡・カリヴィア共同墓地・横穴墓7号墓
表現:クッション形状・カーネリアン製の印章/牛飼い男性と雄牛
年代:LMIIIA期・紀元前1400年〜前1300年
展示:HAM・登録番号169/横L18mm
現地:クレタ島・メッサラ平野・フェストス宮殿遺跡〜東北東1.3km
描画:大久保栄次
GPS:35°03'14''N 24°49'42''E/標高60m


IV-3-01 粘土印影 「大人しく座るヤギ(orムフロン)の群れ」

            ミノア文明 クノッソス宮殿遺跡・西翼部・中央大階段 粘土印影 「ヤギ6頭(ムフロン)」

出土遺跡:クノッソス宮殿遺跡・西翼部・中央大階段
表現:印章=硬質石材?押印/粘土印影=座るヤギ(orムフロン)6頭
年代:LMIIIA1期・紀元前1375年頃
展示:HAM・登録番号231/横L24mm
現地:クレタ島・中央北部
描画:大久保栄次


V-2-01 蛇紋岩製 《雄牛頭型リュトン杯》

 クノッソス宮殿遺跡・中央中庭〜北西350m、研究者から小宮殿Small Palaceと呼ばれている大規模遺構から、蛇紋岩、または滑石・ステアタイト製の《雄牛頭型リュトン杯Bull-head Rhyton》が見つかっている。
 そのほかでは、東部・北海岸のエーゲ海の小島・モクロス遺跡Mochlos・共同墓地、グルーニア遺跡Gourniaやパライカストロ遺跡Palaikastroなど町遺跡からは、かなりの点数のテラコッタ製の《雄牛頭型リュトン杯》も出土している。


               ミノア文明 クノッソス宮殿・小宮殿遺構Small Palace 石製の雄牛頭型リュトン杯

出土遺跡:クノッソス宮殿・小宮殿遺構Small Palace
表現:蛇紋岩(orステアタイト)製の雄牛頭型リュトン杯Bull-head Rhyton
年代:LMIB期・紀元前1500年〜前1450年
展示:HAM・登録番号1368/(角除く)高さ206mm
現地:クレタ島・中央北部
撮影:1982年
GPS:35°17'57.50''N 25°09'36''E/標高115m


            ミノア文明 クノッソス宮殿遺跡&周辺 地図

クノッソス宮殿遺跡&周辺
現地:クレタ島・中央北部
作図:大久保栄次


線文字B粘土板 《二輪戦車》・《サフラン》

 クノッソス宮殿遺跡・西翼部、聖域区域Sanctuaryの入口となる石製ベンチの控え室の南側一帯は、特に崩壊が激しい場所である。控え室の直ぐ南側に小部屋があり、さらに南側に正方形の小部屋が配置されていた。Sir Arthur John Evansの発掘作業では、この小部屋〜東隣の通路付近から、二輪戦車や馬や鎧(よろい)やサフランの花などが刻まれた線文字B粘土板が発見されている。
 最も良く知られた線文字B粘土板 《二輪戦車Chariot》の表意訳では、「鎧をまとった湾岸労働者(人名)は、二頭立て二輪戦車を操縦する/Richard Vallane Janke (2016)」とされる。

          ミノア文明 クノッソス宮殿遺跡 線文字B粘土板 「二輪戦車」t「サフラン」

出土遺跡:クノッソス宮殿遺跡・西翼部・聖域
表現:ミケーネ文明の文字・線文字B粘土板 《二輪戦車》
年代:LMIIIA1期・紀元前1375年頃
展示:HAM・登録番号1609/長さL約100mm
現地:クレタ島・中央北部
描画:大久保栄次

出土遺跡:クノッソス宮殿遺跡・西翼部・聖域
表現:ミケーネ文明の文字・線文字B粘土板 《サフラン》
年代:LMIIIA1期・紀元前1375年頃
展示:HAM
現地:クレタ島・中央北部
描画:大久保栄次


VI-3-06 テラコッタ製 《フェストスの円盤》

            ミノア文明 フェストス宮殿遺跡・北翼部・旧宮殿時代の遺構 テラコッタ製の「フェストスの円盤」

出土遺跡:フェストス宮殿遺跡・北翼部・旧宮殿時代の遺構
表現:テラコッタ製 《フェストスの円盤》
年代:MMIIB期〜MMIIIA期・紀元前1700年〜前1600年
展示:HAM/直径15.8cm〜16.5cm
現地:クレタ島・メッサラ平野
撮影:1982年


 フェストス宮殿遺跡Phaestos Palaceの王家のプライベート生活区の東側には、中期ミノア文明MMII期・「旧宮殿時代」、あるいは次の中期ミノア文明MMIIIA期・「新宮殿時代」の初期に遡る、比較的古い建物群、おそらく工房の遺構が連なっている。
 その一つの部屋で確認された泥レンガ枠の箱型列から、1908年、イタリア考古学チームによって「旧宮殿時代」の終わり頃、紀元前1700年〜前1600年に属する未解読文字である、《フェストスの円盤Phaestos Disk》が発見された。
 工房区画の発掘では、石製印章や線文字A粘土板など、微細点も含めると1,000点以上の出土品があったとされる。直径15.8cm〜16.5cm、今からおよそ3,650年以上前に製作されたとされる円盤の両面には、人の顔や歩く人、魚や花など、絵文字に似た視覚できる不思議なスクリプトが刻まれている。


VII-2-01 祭祀用 青銅製 大型サイズ両刃斧

          ミノア文明 ニロウ・カーニ遺跡・邸宅南区画・聖所

出土遺跡:ニロウ・カーニ遺跡・邸宅南区画・聖所
表現:青銅製・大型の両刃斧
年代:MMIIIA期〜LMIB期・紀元前1625年〜前1450年
展示:HAM/最大横幅L120cm
現地:クレタ島・中央北部
描画:大久保栄次


 イラクリオン〜東方11km、北海岸に残るニロウ・カーニ邸宅遺跡Nirou Khani、舗装された東中庭の西側、二本円柱の奥が石膏表装の床面&石膏石の壁面・腰壁パネル施工の主玄関である。さらに西側の三本角柱を抜けると邸宅の中心的なスポット、石膏石の舗装&腰壁パネル施工の広間となる。
 舗装広間〜南区画への連結ドアー口の直ぐ南側の通路から石製ランプが発見された。通路の西脇には階上への階段があり、邸宅は間違いなく二階建てであった。
 通路の東側、石灰岩の床面の部屋が南区画で最も重要な場所、その隣の部屋からミノア文明の最も神聖な崇拝シンボル、最大横幅120cm、青銅製の両刃斧が見つかっている。祭祀用の大型両刃斧の存在は、南区画が「聖所」の可能性も含めた「神聖なる場所」であったことを連想させる。


ニロウ・カーニ遺跡・邸宅遺構

          ミノア文明 ニロウ・カーニ遺跡・邸宅遺構/別称=「高位祭司の邸宅」

遺跡:ニロウ・カーニ遺跡・邸宅遺構/別称=「高位祭司の邸宅」(1982年時点)
状態:二本円柱・主玄関〜舗装広間〜中央通路(狭い通路)
・舗装広間の左方(南側)=「聖所」区画
年代:MMIIIA期〜LMIB期・紀元前1625年〜前1450年
現地:クレタ島・中央北部・北海岸/イラクリオン市街地〜東方11km
描画:大久保栄次
GPS:35°19'51.50''N 25°15'03''E/標高5m
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